ナーシングビジネス2008年夏季増刊
組織を守る! 看護の法令遵守とガバナンス
もう「知らなかった」ではすまされません
前・町田市民病院 副院長兼看護部長
山嵜 絆 編
■CONTENTS
◆第1章 病院における法令遵守とは
前・町田市民病院 副院長兼看護部長 山嵜 絆
●医療制度改革と法令遵守
地域連携パスを軸とした医療提供体制の改革
治療の道筋を図にしたのが地域連携パス
保険診療と関連する法律
看護師の専門技術向上というニーズ
●健康保険法と医療監視
指導・監査の流れ
指導・監査の実際
●「雪印」「ミートホープ」にならないためのガバナンス
診療報酬上の「3大落とし穴」
◆第2章 看護の質保証の取り組みに向けて
東京大学医学部附属病院 特任助教 小林美亜
●医療制度改革、医療法、診療報酬改定への対応
医療制度改革4 つの柱
医療費適正化計画が出された背景と現在の取り組み
厚生労働省の医療費抑制策とは
具体的な政策目標
本当に医療費削減は必要か
「4 疾病5 事業」と「後期高齢者医療制度(長寿医療制度)」
2008 年度診療報酬改定の概要はこれだ
看護師の役割分担
一般病棟における看護必要度
看護に関連した評価
今後重点的に対応していくべき領域
看護師も終末期医療に積極的に関与を
●費用と効果を加味した看護活動の展開
診療報酬引き下げのなかで包括支払い方式について検討する
医療の質の評価とDPC 対応型クリティカルパス
使用薬剤・医療材料の適正化を
医療材料を選択するときの視点
●顧客(患者)満足度と職員満足度
職員の満足度を上げることの重要性
◆第3章 医療事故を教訓に日々の業務を振り返る
軽井沢町国民健康保険軽井沢病院 総看護師長 臼田富子
●突然の医療事故が何を変えるのか
事故を教訓として
●インフォームドコンセントと記録の重要性
インフォームドコンセントの目的と意義
簡単なようで難しい「記録に残す」ということ
浮かび上がった事故後の課題
リスクマネジメントと看護記録
ガバナンス活動の成果を発揮した実例
記録についての基礎知識
●医療事故から得た学びと課題
医療事故後の改善策
看護計画は患者・家族とともに
病院全体の体制を整える
医療事故から学んだガバナンスの大切さ
大きな視点からとらえなおす
◆第4章 これから目指す病院モデル
埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科 準教授 岩満裕子
●どのようにして病院を生き残らせるか
病院が生き延びるためには何が必要か
大切なのはコスト意識とミッション
医師不足のなかで
公立病院の存在意義
●赤字経営・黒字経営のスパイラル
医療現場のノウハウと経営のノウハウの衝突
コンサルタントを活用する
●医療法・診療報酬の理解と活用
医療法や診療報酬改定が医療界に与える影響
諸外国の失敗事例からも学ぶ
住民と医療者側との意識・情報に関する非対称性
●黒字経営にしてこそ理想の病院にできる
経営ツールの活用と「規模の経済」をふまえた医療を
アメーバ戦略で組織文化をつくり出す
人材の活用とホームページの活用
ガバナンスはマネジメントが重要な鍵
「高信頼組織」としての病院に
◆第5章 人事・労務の法令遵守ポイント
東京大学医学部附属病院 特任助教 小林美亜
1 就業規則を作成していますか?
2 就業規則は職員全員が閲覧できるようになっていますか?
3 採用選考は適性・能力のみを基準として行っていますか?
4 採用時には「労働条件通知書」を手渡していますか?
5 時間外労働、休日労働についての労使協定を結んでいますか?
6 超過勤務手当はきちんと支払っていますか?
7 休憩時間がきちんととれるようにしていますか?
8 変形労働時間制の適用に関する手続きは適切ですか?
9 当直勤務は許可要件に沿って実施していますか?
10 夜勤をする女性への配慮は十分ですか?
11 院内感染防止対策を実施していますか?
12 院内での暴力防止の対策を講じていますか?
13 業務上のけがや疾病などの補償の規定を設けていますか?
14 雇い入れ時や定期の健康診断を実施していますか?
15 業務に伴う腰痛を予防する対策を講じていますか?
16 セクシュアルハラスメント防止の措置を講じていますか?
17 パワーハラスメント防止のための対策を講じていますか?
18 派遣労働者に対する受け入れ側の責任は?
19 65歳までの雇用継続についての規定を設けていますか?
20 外国人労働者受け入れのポイントは?
21 有給休暇の申し出を、原則として認めていますか?
22 妊産婦に対する残業の禁止や夜勤免除などを行っていますか?
23 育児休業の規定や育児支援策を設けていますか?
24 介護休業や勤務時間短縮の規定を設けていますか?
25 育児や介護を行う職員の夜勤の免除を実施していますか?
26 「管理監督者」の範囲は適正ですか?
◆第6章 法令遵守、ガバナンス ここが知りたいQ&A
1 「結核」に関する助産録の記載は?
2 「薬品塗布」を補助者に分担してもらうときは?
3 外部委託の職員を導入するときは?
4 赤字であっても、患者・職員双方の満足が得られる経営戦略はあるか?
5 退院調整の業務を円滑に行うには?
6 看護師と医師との業務分担、指示出し・指示受けのルールは?
7 抗がん剤を含む点滴の際に起きやすい事故とその対策は?
8 看護師の業務を他業種の人が分担することのメリットは?
◆第7章 病院の法令遵守とガバナンス ──トップマネジャーインタビュー
●培ってきたガバナンスの仕組みを維持しつつ、時代の要請に沿った運営を実施する。
神戸大学医学部附属病院 副院長/看護部長 大島敏子さん
●大学と連携してコンプライアンス教育を進める。
横浜総合病院 副院長/看護部長 桃田寿津代さん
●ガバナンスの鍵は、人。皆で議論を尽くし、ルール遵守を見守り合う。
福井県済生会病院 副院長/看護部長 大久保清子さん
感染管理認定看護師 細田清美さん
●企業の不祥事をきっかけに、一市民の視点でコンプライアンス、ガバナンスに取り組む。
医療法人社団三省会 米田脳神経外科 副院長/看護部長 認定看護管理者 富山真由美さん
●「満足と納得が得られる医療の実践」、その理念の実現にこだわって。
東北労災病院 副院長/看護部長 佃 祥子さん
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